自家発電設備の基本

自家発電設備の必要性

なぜ自家発電設備が必要なのか

自家発電設備 写真2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災では、東北地方の多くの地域で長時間にわたり停電に見舞われました。

「電気があって当たり前」という生活が一転し、不便さらには危険な生活を強いられた方々も少なくありませんでした。

一般家庭であれば、電気がなくても「困った」「不便」で済ませられるかも知れません。しかし、会社や工場などの事業所では、長時間の停電は、生産活動やサービス提供の停止を招き、顧客や取引先の信頼を失いかねません。また、公共施設・病院・金融機関・放送局・消防署・上下水道施設・ダム・県庁舎・空港・警備会社などの社会的責任のある組織や施設では、たとえ停電でもサービスを提供し続けることが使命でもあります。

多くの事業所は電力会社から電気の供給を受けています。しかし、事業所内に非常用自家発電設備を備えることによって、万一、電力会社からの電力供給が途絶えた場合でも最低限の電力を自力でまかなうことができ、生産活動やサービスを継続することが可能となります(事業継続計画 BCP : Business Continuity Plan)。また、停電時に限らず、常用自家発電設備を備えることによって、コストダウンやCO2削減が期待できます。

メリットを受けやすい業種・業態

機械・金属・電子関連の製造業
電気の大口需要家(契約電力500kW以上)で、「電気事業法」第27条に基づく電力使用制限の対象となっている場合、不足分の電気を自家発電設備から供給できますので、15%節電の制約を受けにくくなります。
食品製造業
非常用自家発電設備を備えることで、冷蔵保管あるいは冷凍保管している原材料在庫や製品在庫を、停電による劣化損傷や品質低下から守ります。
コージェネレーションシステム(CGS : Co-Generation System)により自家発電設備からの廃熱を回収して、蒸気やお湯を食品加工に利用できれば、コストダウンが期待できます。
医薬品製造業
非常用自家発電設備を備えることで、冷蔵保管が必要な原材料や製品在庫を、停電による品質低下から守ります。
病院
非常用自家発電設備を備えることで、停電時でも医療サービスを継続することができます。また、無停電電源設備を併用することで、患者の生命や安全に関わる医療機器類はもちろん、電子カルテシステム、オーダーリングシステム、看護支援システムが停電により突然停止するような事態を防ぐことができます。
マンション等の高層ビル
非常用自家発電設備を備えることで、停電時でも照明・空調・冷暖房設備・エレベータ・消防設備・防犯設備の機能を維持することができ、入居者の利便性や安心・安全を確保できます。また、後述のコージェネレーションシステム(CGS : Co-Generation System)を導入することで、ビル全体の省エネルギーとコスト削減が期待できます。
放送局・新聞社などのマスコミ関連
地震・洪水・落雷などの自然災害の多くが停電を伴います。このような事態にあっても、事務所や局舎、送信所、印刷センター、支社、営業所に非常用自家発電設備を備えていれば、必要な情報をタイムリーに発信することができます。
データセンター
大規模コンピュータ設備をはじめ、インターネット用サーバや通信設備などに特化したインターネットデータセンター(IDC)、金融機関等の電算センターにおいては、停電時においてもサービスの提供が求められます。質の高い非常用自家発電設備や無停電電源設備を備えることで、サービス品質保証契約(SLA : Service Level Agreement)の改善が期待できます。

自家発電設備の選び方

用途・仕組みによる分類

自家発電設備 写真自家発電設備は、用途に応じて、大きく常用型と非常用型に分けられます。また、仕組みの面では、発電に用いるエネルギーによる分類があります。

常用型とは、電力会社からの電力供給に関係なく、文字通り常に稼働させることを原則として発電を行うものです。

非常用型とは、一般的に電力会社からの電力供給が途絶えた場合に、自動的に発電機を稼働させて発電を行うものです。電力会社からの電力供給が再開すると、発電機を停止させ、再び停電に備えて待機します。

発電に用いるエネルギーには、重油・軽油・ガスなどの化石燃料、太陽光・風力・水力・地熱・潮力などの自然エネルギー、原子力、そのほかバイオマスエネルギーなど様々です。

化石燃料を使うものは、ディーゼルエンジン、ガスタービン、ガスエンジンが現在の主流となっています。、

無停電電源設備の併用

無停電電源設備(UPS:Uninterrruptible Power Supply) 写真非常用自家発電設備を備えている場合、電力会社からの電力供給が途絶えて停電すると自動的に自家発電に切り替わります。しかし、停電を検知してからディーゼルエンジンやガスタービン等の内燃機関を始動しますので、自家発電による電力が供給されるまでに10秒~40秒ほど停電することになります。

事業所のコンピュータや、生産設備、医療機器、AV機器などは、たとえ瞬間的にでも停電すると、作業中のデータが失われたり、機器が停止したまま動かなくなり再起動操作が必要になるため、瞬間的な停電も許されません。

無停電電源設備(UPS : Uninterrruptible Power Supply)を非常用自家発電設備と併用することで、電力会社からの電力供給が途絶えてから非常用自家発電設備による電力供給に切り替わるまでの間、内部に備えた蓄電池(バッテリー)から電力を供給することで瞬間的な停電を防ぐことができます。

また無停電電源設備は、非常用自家発電設備が始動するまでのつなぎの電力供給という役割だけでなく、電圧低下や電圧波形のひずみなど、品質の悪い電源からの電気を補うという役割があります。

蓄電設備の併用

蓄電設備を備えることで、発電した電気を貯蔵し、必要なときにそこから電力の供給を受けることが可能となります。

自家発電した電気を蓄えるだけでなく、料金が割安な夜間電力(深夜電力)で蓄電池を充電し、日中のピーク時に蓄電池から電力供給を受けることで、電気料金の削減も期待できます。

また、前述の無停電電源設備としての機能を付加することも可能です。

蓄電設備に用いられるのは鉛蓄電池が一般的ですが、近年はNAS電池が注目されています。

廃熱回収による省エネ

重油・軽油・ガスなどの化石燃料を内燃機関で発電する場合、排気ガスの熱と冷却水を熱交換して、蒸気やお湯を作り出せます。ボイラー等で蒸気やお湯を作り出しているような事業所においては、自家発電設備の廃熱を回収して有効活用することで省エネルギー・コストダウンが期待できます。この場合、常用型の自家発電設備が適しています。

コージェネレーションシステム(CGS : Co-Generation System)は、この廃熱回収の仕組みをさらに発展させて、トータル的に省エネルギー・コストダウンを目指すもので、熱電併給発電設備とも呼ばれます。

近年は、燃料電池によるコージェネレーションシステムも登場しています。

コージェネレーションシステム(CGS : Co-Generation System) 写真

自家発電設備の容量目安

発電設備の容量決定にあたっては、現場確認を含めた十分な調査検討が必要です。

発電設備の容量決定については、別途、弊社までご相談ください。

設置要件

非常用発電設備は、停電時にスプリンクラーや非常用エレベータなど消防用設備等の非常用電源として設置される場合、火災などにより常用電源が遮断された場合でも消防用設備等へ確実に電気を供給できるよう、設備の構造・性能基準・設置場所・設置届出・設置後の点検について火災予防条例等の規制があります。

常用自家発電設備は、火気を使用する設備として、設置位置・構造・管理・取り扱い等について火災予防条例等の規制を受けます。また電気事業法上の発電所として取り扱われる場合があるほか、騒音規制法や振動規制法の特定施設として取り扱われる場合があります。

燃料の種類によっては、「大気汚染防止法」のばい煙発生施設に該当する場合があり、届出が必要です。

ガスタービンは、小型で振動も少ないため、要件を満たせばビルの屋上に設置できます。

ディーゼルエンジンは、振動が大きいため地下や別棟に設置するケースが多くなります。また冷却水用の配管の手配が必要となる場合があります。

設置費用の概算

自家発電設備の設置費用については、別途、弊社までご相談ください。